身体の痛みに対して~氣を通じて痛みを取る
さまざまな痛みを治療できる鍼灸治療
鍼灸治療は身体のさまざまな痛みに対して有効です。肩こり、腰痛、頸の凝り、膝の痛み、股関節の痛み、背中全体の張り、肘や足首等の関節の痛みなどなど。
痛みで辛い思いをしていらっしゃる方は是非はりきゅうを試してみて下さい。
不通則痛、不栄則痛
東洋医学では痛みの原因について「不通則痛」「不栄則痛」といいます。「不通則痛」とは「通ぜざれば、すなわち痛む」と読みます。「身体に氣が滞って循環が悪い部分があると、そこが痛くなる」という意味です。
例えばスマホの使い過ぎで肩がこり、頸が痛くなってしまった場合は、大概肩や頸が詰まった感じになって、氣が滞っています。
鍼灸治療をすると氣の滞りがとれて、「通則不痛(通ずればすなわち痛まず)」となり、痛みも取れます。
「不栄則痛」は「栄(さかえ)ざればすなわち痛む」と読みます。ここでいう「栄」とは栄養の事で、「栄ず」とは氣が不足しているということで、循環が悪くて、身体に氣の足りない部分があると、そこが痛くなるということです。
冷え症で腰が重だるく痛むような場合は、虚証と言って氣が不足していることが多いです。
氣が不足している時は、氣を補う治療をしますので、お灸で身体を気持ちよく温めたりいたします。
このように、東洋医学では痛みの原因を大きく2つに分類して、「氣の滞り」か「氣の不足」によるものとしています。
鍼灸治療は身体全体の氣の調整をする医療だと言えます。辛い痛みの解消にぜひお試しください。
以下に例として肩こりと腰痛について簡単に述べます。
肩こり
肩こりは、鍼灸院では最もよく見られる症状のひとつです。「日本の国民病」と呼ばれることもあるそうで、多くの人が肩のこりに悩まされています。肩こりを感じないという方でも、触ってみると張りや圧痛のある場合がほとんどです。
人間は二本足の直立歩行をすることで、頭部を頸で支え、肩に腕をぶら下げることになりました。頸や肩にはいつも負担がかかっていて、不調が生じやすいのです。
帰来堂鍼灸療院での経験から、現代人の肩こりの原因はストレスかパソコンやスマホの使い過ぎが多いと考えています。
現代の私たちはいわゆる「ストレス社会」に生きていて、インターネットやスマートフォンを手放せなくなってしまっています。
緊張することを「肩に力が入る」と言いますが、ストレスが持続すると肩の氣が滞ってしまいます。
事務作業やインターネットを長時間続けると、目が疲れて氣を消耗します。
このように肩の氣が滞ったり、消耗したりして肩こりになっていることがとても多いのです。「不通則痛」「不栄則痛」ですね。
鍼灸治療においては、肩こりの原因やその方の体質、暮らし方などを加味しながら、全身の状態を調整することで、心地よく頸、肩、背中を緩めるようにいたします。
肩こりに加えて頭痛や眼精疲労につらい思いをされている方も多くありますので、合わせて調整します。
その方の体質や症状に合わせて、身体全体のバランスを調えることで、肩こりを解消していきます。
腰痛
腰痛は肩こりと並んで、鍼灸院で最もよく見られる症状です。実際、肩こりと腰痛を一緒に治療することもよくあります。肩と腰はそれだけ負担がかかり、疲労がたまりやすいということでしょう。
腰痛の分類
腰痛の原因は多岐に亘り、内臓疾患が隠れていたり、ストレスや心理的な要因に由来する場合もあったりと様々です。一般的には腰痛に関して、まず思い起こされるのはいわゆる「ギックリ腰」でしょう。
整形外科的な要因があるかどうか、ということもあります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰椎すべり症
- 腰椎圧迫骨折
月経のトラブルから腰の痛みを訴えるケースもよくあります。
鍼灸治療においては、腰痛の原因あるいは結果として固くなってしまった筋肉を緩め、患部の血行を改善することで痛みを和らげます。
身体全体の冷えや氣の滞りが腰痛を引き起こしていることも多く、特効穴に加えて全身治療を施すことが大切です。