こんにちは。帰来堂鍼灸療院の坂光です。
引き続きNHKラジオ第二の実践ビジネス英語を聴いています。
今週のレッスンは「Money Matters~お金の事」で”Green with envy”というフレーズが取り上げられていました。
ひどく妬ましいという意味で、「嫉妬で顔が青ざめる」みたいなイメージでしょうか。
この表現は前にも習って、覚えていましたが、妬むにはenvyとjealousがあり、jealousの方が子供っぽい妬みだと解説がありました。これは私には新たに学んだことでした。
それでジョン・レノンは”I’m just a jealous guy”と歌ったのですね。
鍼灸東洋医学は中国古代哲学である陰陽五行論に基づいており、心身を五行に配当して認識します。
五行思想または五行説とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。西洋の四大元素説(四元素説)と比較される思想である。
自然現象の四季変化を観察し抽象化された、自然現象、政治体制、占い、医療など様々な分野の背景となる性質、周期、相互作用などを説明する5つの概念である。単に5種の基本要素(エレメント)というだけでなく、変化の中における5種の、状態、運動、過程という捉え方もされる。(Wikipedia「五行思想」より)
感情と色についても以下のように配当されています。
木 = 怒 = 青
火 = 喜 = 赤
土 = 思 = 黄
金 = 悲 = 白
水 = 恐 = 黒(玄)
ねたみはどこに入るでしょうか?
青と黄色の絵の具を混ぜると緑になりますから、木と土の間でしょうか?
嫉妬という漢字は、嫉は女+疾、妬は女+石ですね。
嫉とは「他人のよいことをにくらしく思う」という意味で、疾とは「矢のようにはやい病」を意味します。
ヒステリーのようにかっと頭にくることとのことです。そうすると木に属すと思います。
妬は「やきもちを焼く」ということで、「真っ赤になって興奮すること」とあります。(学研「漢和大字典」より)
そうすると嫉がenvyで妬はjealous?
この字はどちらも女が含まれています。字典には「嫉妬は女性にありがちなことだから」というような説明がありますが、これは実態を表していませんね。社会では男性同士の激しい嫉妬がありますし、恋愛関係でも相手を束縛したり、ストーカー行為に及ぶのは女性とは限りません。言うまでもないことです。
また昔は女性の社会的な立場が現在とは比較にならないほど弱く、教育の機会も極めて限定されていたわけですから、女性としては夫に捨てられたら(三行半ですね)「女三界に家なし」で文字通り行き場を失い、Like a rolling stoneになってしまいます。弱い立場の女性が時に激しく反応してしまうのは、それは立場の問題ではないかと思います。
このようなことを書くのは男女平等ということもありますが、背景を考慮しないということがいかに酷であるかを言いたいからです。愛の反対は無関心”Indifference is the opposite of love” ですね。
ちなみに白川静先生の「字統」には嫉と妬の両方の項に「嫉妬の情は、特に女性に強いからであろう。男子にも李益のように妻を疑うこと異常で『妬癡(とち)』『李益の疾』といわれた。」と唐代の詩人のエピソードを紹介しています。このあたりは何とも白川先生らしいと感じます。