ニューヨークの鍼灸院

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

Instagramで見つけた写真と投稿のシェアをさせて頂きます。

YinOva Centerとうニューヨークの鍼灸院の配信です。

In the world of #chinesemedicine these two points are referred to as Large Intestine 4, which is the command point of the head, and Lung 7, which affects the respiratory system. This combo does wonders for people who have stuffy noses + sinus congestion!

中国医学では、この二つのツボは大腸4(頭部に効くツボ)と肺7(呼吸器系のツボ)と呼ばれています。この組合せは鼻詰まりに劇的な効果があります。(Instagram @yinovacenter

花粉症、鼻詰まりに効果のあるツボ

これらのツボは合谷と列缺というツボです。
合谷は手の陽明大腸経に属していまして、4つ目のツボですので、欧米ではLarge Intestine 4(大腸4、LI4)と呼ばれています。同様に列缺は手の太陰肺経の7番目なのでLung 7(肺7、LU7)という名前になっています。

投稿にあるように、合谷は頭痛など頭部の疾患によく用いるツボで、列缺は肺経に属するので風邪など呼吸器の関連でよく使います。どちらのツボも四総穴に含まれている要穴で、多くのツボの中でも特に効果が高いと認知されていると言ってよいでしょう。

合谷は手の母指と示指の間にあって、手を開いたときのくぼみに取るのでその名がついたと言われています。くぼみを谷に見立てているのです。

列缺も同じくくぼみに取ります。こちらは手首の骨の裂け目にあり、裂け目のことを缺と言います。

このようにツボの名前にはそれぞれ意味があります。ツボの位置、その部分の形から名づけられたり、そのツボの効能、東洋医学的な意義を表すこともあります。

ツボを覚える時に、その名前の意味も合わせて覚えることで理解が深まります。合谷であれば、親指と示指の肉が合わさっていてくぼみになっているところ、というような具合です。

それが欧米においてはツボの名前は記号化されていて、属する経の名前と番号だけです。
番号だけで覚えるのが大変そうです。

日本の場合は鍼灸医学の誕生した中国と漢字という共通の文化をもっているからいいですが、漢字を使わない国の場合はそうせざるを得なかったのでしょう。例えば合谷を翻訳するとどうなるのでしょうか?”Joining Valley”とか?
列缺は「そこから氣の流れが分かれる裂け目」というような意味だとしたら、”Departing Slit”?これだと「裂け目」自体が分かれていくみたいな意味になってしまいますね。なんだか訳が分からなくなりそうです。

インスタグラムを始めて、海外の鍼灸師の投稿をよく見るようになりました。
欧米でも鍼灸が定着し、そこでも独自の発展を遂げているように思えます。これまでの歴史においても、このようにして伝統医療である鍼灸がその場所に適応した形で広まってきたのだろうと想像して、何だか楽しい気持ちになっています。