お臍をじんわりと温めるへそ灸の効果

 

この写真は小林老舗さんのHPからお借りしました

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

私は開業当初より、優しく身体を温める温灸に関心があり、小林老舗の桝温灸を愛用してきました。

上の写真のようにお臍に乗せて、箱の中でもぐさを燃やします。
箱の中でお灸をするので、熱を逃さず、温かさがじんわりとお腹に伝わりとても心地よく温まるのを感じて頂けます。
鍼と併用することで治療の相乗効果がぐっと高まると感じています。

最近は「へそきゅう」のための商品も販売されていて、その効果も段々と認知されてきているようです。
検索すると、「妊活」「生理痛」などのキーワードが出てきて、下腹部を温めることで婦人科の効能をアピールしている記事が多いです。
普段の生活でこうしたグッズを用いることもよいことだと思いますが、鍼灸院で昔から伝統医療において用いられているもぐさによる温熱療法をぜひ体験してみてください。

実はこの度、桝おんきゅうを購入しました。
下の写真の左が一昨日届いた新品で、右が長年使ったものです。

古いものは何年も使ったので、すっかり色が変わってしまっています。
箱の内部はもう真っ黒です。
長年愛用してきましたが、さすがにそろそろ潮時かと思い、新しいものを購入しました。
またこれから大事に使っていきたいと思います。

臍にあるツボ「神闕」

へそは漢字で「臍」と書き、「月」と「齋(斉)」が組み合わさって出来ています。
「月」はmoonではなく「にくづき」で「肉」の変形です。
肝、腎、胃、筋などなど、身体に関係する字には「肉(にくづき)」が用いられています。

「齋(斉)」には「ひとしい」という意味があります。
へそは身体の中央にあり、へその上下、左右が均しい長さであることからこの字が用いられたと教えてもらいました。
古代において、臍は身体の中央にあるくぼみであると定義したのでしょう。

日本語でも、へそは「中心」あるいは「重心」の比喩として用いられる言葉です。(Wikipediaより)

ツボとしては「神闕」といいます。
「神」は現代で言う「精神」のような人間を人間たらしむるもののことで、「闕」はくぼみのことです。
へそは母親の胎内で、臍帯を通じて胎児に栄養を送る門戸ですので、「神気」の出入りする、計り知れないほど重要な場所ということでこの名が付いたのでしょう。(参考:針灸経穴辞典

ツボの効能としては、虚脱、四肢の冷え、腹痛、下痢、脱肛とあります。(参考:簡明中医辞典)

おへそは鍼のできない場所ですので、施術はもっぱらお灸になります。

へそ灸は、おへそを中心にお腹全体を温める治療法で、お腹を温めることで消化器や婦人科系に効果がありますが、それだけではなく全身のバランスを取る効能があります。
温かくてとても気持ちがよいので、ぜひ一度お試しください。