NHKBS世界のドキュメンタリー『イヌイットの怒り~Angry Inuk』

NHKBS世界のドキュメンタリーホームページより

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

昨晩NHKBSで放送された『イヌイットの怒り』を観ました。
イヌイットの人たちが何を怒っているのであろうかと、さほど期待もせずに見ましたが、とても優れたドキュメンタリーでした。

カナダ北極圏のイヌイット。伝統のアザラシ漁が動物保護団体の標的となり、暮らしが危機に! 新世代のイヌイットが、SNSを駆使して世界を相手にした“戦い”に乗り出す。
アレッサは、イヌイットの村で生まれ育ったディレクター。長老たちから、アザラシの肉を主食とし、毛皮を売って生計を立ててきた伝統の暮らしと、大自然を敬う心を学ぶ。漁は生態系への脅威ではないが、“絶滅”イメージを喧伝する保護団体の政治力に押され、EUなどで規制強化が進む。アレッサは学生グループに呼びかけ、現代のツールを使って民族文化の発信に乗り出す。若きイヌイットたちの、学びと覚醒の旅をドキュメント。(NHKホームページより)

昨晩の番組は50分間でしたが、オリジナルは2016年に80分ほどのドキュメンタリー映画として製作された作品のようです。
日本の映画館でもぜひ公開してほしい作品です。
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イヌイットは歌で不愉快な気持ちを表現する。怒ったら負け

海外の環境保護団体の圧力によって、伝統的なアザラシ漁ができなくなるという話は、和歌山のイルカ漁のことを思い出させます。

アザラシ漁については、保護団体は現地を訪れた様子もなく、イヌイット側との話し合いも拒んでいるようです。

漁の是非については、私には充分な知識もありませんので、ここまでにしておきます。

感動したのは、イヌイットの伝統的なトラブル解決方法です。

外国の保護団体による一方的な批判によって、アザラシ漁という生活の糧を奪われたのですから、イヌイットの人たちが怒りを覚えても当然だと思いますが、番組の中でみんな穏やかに話をしていて、困惑は伝わりますが怒りは感じられません。

イヌイットの文化では、怒りをあらわにするのはみっともないこととされていて、その習慣が身に着いているからなのだそうです。

イヌイットは不愉快なことがあったときも怒鳴ったりせず、歌によってその気持ちを表現し、お互いに理解できるまで歌を交換するのだそうで、怒ってしまったら負けなのです。
これには感動しました。

 

この番組は夜中の12時から衛星放送で放映されたのですが、どのくらいの視聴率だったのでしょうか。

こういった良質な番組はもっと早い時間に放映されて、多くの人が観るといいのにと思います。