実践ビジネス英語2017年11月放送『Curiosity Killed the Cat?〜好奇心と感性』

11月の実践ビジネス英語は『Curiosity Killed the Cat?〜好奇心と感性』でした。

「仕事の場で個人的な事柄を詮索するのはマナーに反する」という話題が取り上げられています。
ビニエットの中で、答えたくないような個人的な質問をされたらどう対応すればいいかという質問に
”Curiosity Killed the Cat”と言って、その話を終わらせるのも一手だというのです。

”Curiosity Killed the Cat” 好奇心が猫を殺す

何だか変わった諺です。
「犬も歩けば棒にあたる」みたいです。

同じような意味のフレーズに”Mind your own business.”や”It’s none of your business.”があります。
これらは「大きなお世話だ」という感じできつい印象があるので”Curiosity Killed the Cat”の方が無難
ということみたいです。

この場合の”business”は日本語での『ビジネス=仕事』ではなく『個人的な事柄』という意味です。
『仕事』には『お勤め』みたいな公的なニュアンスがありますので、『個人的な事柄』とは反対の意味のように感じられます。
日本語と英語との興味深い違いです。

「悲・憂は肺を傷る」~”Care killed the cat”

実践ビジネス英語に戻ると、”Curiosity Killed the Cat”は元は”Care killed the cat”だったのだそうです。

“Care”は、日本での「ケア」は『狭義では、看護、介護のことをいう。Wikipediaより』という意味で使われていますが、ここでは”worry or sorrow”、つまり「心配」や「悲嘆」という意味です。

Take care of (面倒を見る)、Care about(大事に思う)というイディオムがあります。
この場合の”care”は「思い遣り」「配慮」というニュアンスでしょう。

その気持ちが強くなり過ぎ、いわばobsessiveになると”worry or sorrow”「心配」や「悲嘆」になるのですね。

感情は人にとって自然な発露ですが、過度になると健康を害してしまいます。

東洋医学では、病気の原因には外因(六淫)と内因(七情)があるとしています。

七情とは、過度の感情を指します。

その中で、憂いと悲しみは肺と関係が深いとされています。
憂いや悲しみが強すぎると肺、呼吸器の病気になりやすいということです。
反対に、肺や呼吸器の弱い人は悲観的になりがちということもあります。

肺は、四季では秋と関わりが深いとされていますが、秋はメランコリックな季節ですね。

「最後のひと葉」 岩波少年文庫

オー・ヘンリーの短編小説『最後の一葉』

『最後の一葉』Wikipediaより
ワシントン・スクエアの西側にある、芸術家が集まる古びたアパートに暮らす画家のジョンジーとスー。
貧しいながら暖かい生活を送っていた中、ある日ジョンジーはは重い肺炎を患ってしまう。
医者から「ジョンジーは生きる気力を失っている。このままでは彼女が助かる可能性は十のうち一」と告げられる。心身ともに疲れ切り、人生に半ば投げやりになっていたジョンジーは、窓の外に見える煉瓦の壁を這う、枯れかけた蔦の葉を数え、「あの葉がすべて落ちたら、自分も死ぬ」とスーに言い出すようになる。

肺炎に罹ったジョンジーが悲観的になって、そのことでさらに状態が悪くなっている様子が巧みに描かれています。