『深夜食堂』ビッグコミックオリジナル

『深夜食堂』という漫画があります。

東京の繁華街。その片隅に小さな”めしや”がある。
人は『深夜食堂』って言ってるよ。
営業時間は深夜0時から朝7時まで、 メニューは豚汁定食にビール・焼酎・酒 −− ただそれだけ。
あとは注文してくれたら、できるものなら作ってくれる。

その街で生きる人、遊びに来る人…いろんな人がここに集い、腹と心を満たして帰る。
完全各話読切、珠玉の短編シリーズ!ビッグコミックオリジナルHPより)

 

ビッグコミックオリジナルで連載されていて、私も好きでよく読んでいます。

コミックスを揃えたりはしていませんから、それほど細かいことまでは知りません。

ドラマや映画にもなっていて、韓国版や中国版まであるようです。
そちらも面白そうです。

映画『深夜食堂』

先日、NHKBSで映画版の『深夜食堂』が放送されたので、録画して早速観てみました。

映画自体は、正直申し上げて「まあまあ」でした。

漫画のイメージを強く抱いているので、実写版との違いに慣れないからでしょう。

 

 

 

 

『深夜食堂』マスターの腱鞘炎を治した柔道整復師

映画の中で、主人公のマスターが腱鞘炎になるというエピソードがあります。

マスターが腱鞘炎の間、ある女の子を雇うことになります。

なかなか治らず困っていたマスターですが、お客の1人が治療家で、彼の一度の施術ですっかりよくなりました。
腱鞘炎が治ったら、女の子は店を去る約束です。

マスターを治したのはキミトシです。
キミトシは整骨院に勤めていて「マスターの腱鞘炎は背骨からきているのでは?」と言って、マスターの姿勢の歪みを指摘し、治療に来ることを勧めます。

キミトシは柔道整復師なのだろうと、私は思って観ていました。
鍼灸で治ることにしてくれたらもっとよかったのに、とも思いました。

「腱鞘炎って背骨と関係あるの?」などという会話も展開していましたし、マスターにも「キミトシ君の整骨院に行ったらいっぺんに治っちゃってさ。」というセリフもあったと記憶しています。

マッサージ師のキミトシ

私は映画を観た後はネットで復習することにしているので、『深夜食堂』をネットで検索してみました。

キャストやストーリーについてわかりやすく説明しているブログを読んでいると、『キミトシ(高橋周平)マリリンの彼氏。マッサージ師。マスターの腱鞘炎を治す。』とあるのです。(悪口を言いたいわけではないので、リンク先はご紹介しません。)

鍼灸師である私からすると、やはり一般的にはマッサージ師も柔整師も(鍼灸師も)同じようなものと大雑把に考えられているのかなあと、いささか残念な気持ちになりました。

気になって色々と検索してみると、
ホームページには「キミトシ マリリンの彼氏。めしやの近くにある整骨院で働く。」とあり、
作者の安倍夜郎さんのサイトでは「マッサージ師」になっています。

整体師と書いてあるサイトもありました。整体師は医療資格ではありません。

キミトシはマッサージ師として整骨院に勤務しているということなのかもしれませんね。
それで、彼自身は柔整師ではないけれど、勤務先で背骨について学んでいるということなのでしょう。

でも映画を観ていて、話の流れとしては彼が柔整師で、それで背骨にこだわって治療をしているというのがやはり自然に思えます。
マッサージと柔道整復術、(そして鍼灸)が異なった施術だということは、問題にならないと考えられたのでしょうか。

もし仮に、うどん屋と蕎麦屋、あるいは焼き鳥屋とおでん屋が設定上曖昧になっていたとしたら、多くの方が違和感を訴えることでしょう。

ヨガスタジオでの違法指圧マッサージ

私が『深夜食堂』に文句をつけているとは思わないでいただきたいです。

先日、文部科学大臣が官用車に乗って個室ヨガに行ったというスキャンダルがありました。
大臣は性的サービスを目的としていたのでは?ということが問題にされたのですが、それは間違いでした。

私たちが問題にしているのは
PSYのホームページではサービス内容に「指圧マッサージ」と明記され、セラピスト養成スクールでは、最短15時間の研修を受ければ「指圧マッサージ」セラピストになれると表記されていた。
ということです。

指圧もマッサージも厚生大臣認可の国家資格ですから、件のヨガスタジオは無免許で違法なのです。
でもそのことはあまり話題にはならなかったと思います。

現在は保健所の指導を受けて「リラクゼーション」か「整体」に名称を変更したようなのですが、あまりにもずぼらです。
スタジオの姿勢には、指圧、マッサージといった歴史のある技術への敬意も感じられません。

私は鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を持って、施術をしています。
資格者として、一般の方々に認識を深めて頂くように努める必要があると考え、このブログを書きました。
どうぞご理解下さい。

参考 「セクシー個室ヨガ」林文科相が受けた指圧は違法だった!