鍼灸師としての海外ボランティア活動

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

私が理事を務めているNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの新しいニュースレターが発行されましたのでご案内します。
リンク先を開いていただき、ぜひご一読下さい。

2017年6月発行アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ ニュースレター

私は2011年からケニアの農村での医療ボランティアに参加しています。
NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤが主催しているケニア無料医療キャンプです。
ケニアの奥地、ヴィクトリア湖に近い内陸部の農村で、毎年9月に村の人たちに無料で医療を提供する活動です。
そこはケニア国内でもとびぬけてHIV陽性率が高い地域で、医療へのアクセスも難しいところです。
無料で医療を提供することで多くの村の人にキャンプに来てもらい、その人たちにHIV検査を受けるように勧め、あわせてHIV/AIDSについての正しい知識を伝えることを目的としています。

2011年のキャンプは鍼灸師としてキャンプに初めて参加させて頂きました。私にとって初めてのアフリカでした。
そして、帰国後に依頼を受けてアサンテナゴヤの理事に就任しました。
翌年からはキャンプの運営に従事し、主に現地との連絡を担当していました。
ケニアには2011年、13~16年と計5回行きました。

コミュニティセンターの建設と井戸の掘削

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは毎年の医療キャンプの実施に加え、募金活動を行い、集まった資金で現地にコミュニティセンターを建設しました。
翌年にも再度募金をお願いし、今度は井戸の掘削工事を行い、村の人たちにクリーンな水を供給できるようにしました。
井戸といっても日本のように水に恵まれた国とは違って、硬い岩盤をくりぬいて200mも掘らないといけないので、それは大変な工事でした。
浅い井戸でも水は出るのですが、安全なクリーンな水は岩盤の下まで掘らないと得られないのです。

コミュニティセンターに電気を引き、水道の配管もしました。そして、ケニアの公的な医療機関としての認可を申請しました。
幸い認可もおりて、昨年末から医療施設としてケニア人の医療スタッフが村の人たちに簡単な医療を提供したり、HIVやマラリアの検査を実施したりしていると連絡がありました。

まだまだ課題は山積していますが、ともかく村にクリーンな水とHIV検査のできる医療施設を備えるという目標は達成しました。
今後は現地で恒常的に医療を提供できる体制を築いていくことが目標になりますので、今年の9月の医療キャンプは実施しないことになりました。
とはいえ、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤのメンバーは現地視察等の目的で今年もケニア渡航をするのですが、私自身は参加しないことに決めました。

ニュースレターの発行~巻頭文の寄稿

NPOとしてのアフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動は会員やその他の支援者の皆さま方からの寄付で成り立っています。
私を含め理事会メンバーは全員無給のボランティアです。
医療キャンプに参加する場合も、食費などはアサンテナゴヤが負担しますが、航空券代などは全員自己負担です。

寄付で活動で成り立っている以上、支援者に対する説明責任を果たす義務があります。
そのため、アサンテナゴヤでは報告会を開催したり、ニュースレターを発行しています。
私が理事に就任して、最初に担当したのはFacebookページの開設でした。

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤFacebookページ

私は毎回のキャンプの写真を編集して、15分程度のスライドショーを1人で作成してきました。
キャンプ参加メンバーが思い思いに撮影した1000枚以上の写真から編集するのは毎年大変な作業でした。
スライドショーはDVDにダビングして、報告会で上映し、会員や寄付を下さった方々に送付しました。

ニュースレターについても理事に就任してからは、多くの文章を私が担当しましたが、それらの文章もDVDもFacebookも基本的に無記名でした。
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤを代表して説明責任を果たすというスタンスでしたので、自分の名前を出すことを潔しとしませんでした。
毎回キャンプの後にはニュースレターを発行し、そこにはキャンプ参加者の寄稿文を掲載します。その場合は私も記名で感想を書いています。

今回の2017年6月発行のニュースレターで私は巻頭文を書き、それは初めての記名原稿で、帰来堂鍼灸療院院長という肩書も入れました。
今回は、現地のセンターでクリーンな水と医療の提供がようやく始まったことを報告するという重要なレターであるということもありますが、ゲム・イーストでの医療キャンプ事業がその目的を達成し、アサンテナゴヤとしても私個人としても活動が一区切りであるということもあり、私も名前を出して自分の思いを表しておきたいと考えました。拙い文章ですが、ご一読いただけたら嬉しいです。

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動で、毎年キャンプに参加するために長く休診して、帰来堂鍼灸療院の患者さんにはずいぶんとご迷惑をおかけしてきました。それにもかかわらず、多くの患者さんから大きなご支援、多額のご寄付、デジカメや白衣などの寄贈品を賜わってきました。
この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

ケニアについては、まだやらなければならないことややり残したことがあり、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動はこれからも続けていくことになりそうですし、今後も外に目を向けていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。