投稿されたプラシーボ効果についての言葉

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

プラシーボ効果についての投稿をシェア致します。
写真はカナダでアーユルヴェーダを提供しているLina Zalloumさんという女性がインスタグラムに投稿したものですが、プラシーボ効果についてのこの言葉は色々な方がアップしているみたいです。

The placebo effect is scientific proof that we have the ability to heal ourselves. Our thoughts are powerful enough to bring things into existence. When will we be begin to absorb this?

プラシーボ効果とは、私たちが自分自身を癒す力があるということの科学的証明です。私たちの想念は物事を現実化するだけの力を持っているのです。私たちはいつまでこの力を使わないでいるのでしょう?

コメント:
Don’t underestimate the power of your mind and your thoughts! They can literally change your life! Think positive, think with love and compassion! ❤️❤️❤️ . . . .
あなたの心や考えの力を見くびってはいけない!文字通り人生を変えることだってできるのだから!
前向きに考えて。心にいつも愛情と思いやりを。

鍼灸の効果はプラシーボ?

先日ネットの記事で「鍼灸の効果はプラシーボに過ぎない」というようなことが書いてあるのを読みました。

きちんとツボに鍼をした場合と、適当な場所に鍼を刺した場合を比べるというよく知られた実験があるのですが、その結果に特に差が無かったということから件の記事では「鍼はプラシーボ」と結論付けていました。

3000年以上の伝統のある鍼灸治療の効果を、そんな簡単な実験一つを論拠に全否定されてはかなわないと思いました。

実際、鍼灸に関する臨床研究や治療試験は世界中で実施されていて、その効果は様々な分野で大きく評価されています。
研究においては、鍼灸の効果を検証するためには、鍼の特異的効果すなわち自然治癒やプラシーボ効果などを差し引いても効果があることが確認されなくてはなりませんが、なかなかそれは難しいことです。薬のように簡単にはいきません。
しかしそれは効果に疑問があるから、というよりは適切な試験方法を設定するのが困難だからです。(参考:森ノ宮医療大学鍼灸情報センターホームページ

プラシーボ効果を活用する鍼灸治療院での臨床

私のような臨床家は、鍼の特異的効果やプラシーボ効果を区別して考えたりはしません。
縁があって治療院にお越しになった患者さんのために、自分にできるあらゆる手段を活用して、少しでも楽になって頂けるよう全力を尽くすだけです。
むしろプラシーボを最大限活かすことに努力していると言ってもいいでしょう。

(一社)愛知県鍼灸師会会長の長谷川栄一先生が先日Facebookにプラシーボについて投稿されました。

最近プラシーボ効果について様々な研究がされるようになったとのことで下記の例を紹介されています。
(プラシーボ効果の例)
(1) 雪山での酸素ボンベ
雪山登山で、酸素不足を起こし息切れが出てきた人に、酸素の入っていない酸素ボンベを吸わせたところ、元気になって歩き出した。
(2) 自転車競技での偽薬
自転車競技の一流アスリートを集め、偽薬としてトウモロコシの粉末を飲ませたところ、半数以上の選手がタイムをアップさせた。
(3) 睡眠薬
インターンが睡眠薬を与えても眠れない患者が、教授が出したビタミン剤で眠れるようになった。
(4) 鎮痛薬
痛み止めの塗布薬の代わりに普通のローションを塗布したにもかかわらず、痛み止めの塗布薬だと思い込んだ患者は、刺激を与えても痛みを感じなくなっていた。
この実験の報告書では、本物と信じ込むことにより、脳内のオピオイド(鎮痛物質)の産出が増えた為、と報告がされています。
(5) パーキンソン氏病
パーキンソン氏病の患者に偽薬を飲ませたところ、歩行がスムースになった。
偽薬によって、脳内のドーパミン産出が増加したため、と報告されている。
(6) 鍼治療
一方は鍼灸師が必要なこと以外は話さないで、実際に鍼を打つグループ、
もう一方は優しく話しかけ、相手の話に共感し思いやりのある態度で接した上で、鍼を打つ真似だけをするグループ。
結果は、優しく接したグループの方が成績が良かったという事です。
長谷川先生のFacebook投稿より)

鍼灸師の対応によって鍼の効果が違うということは、臨床をしている鍼灸師ならおそらく誰でも実感していることでしょう。
私もまだまだ至らないことばかりで、患者さんへの対応がよくなかったと反省することが多いのですが、
”Think positive, think with love and compassion!”を忘れず、前向きに頑張りたいと思います。