中西医結合のこと

こんにちは。
帰来堂鍼灸療院の坂光です。

現代中国の医療の大方針として「中西医結合」があります。

中西医結合
「中」は「中医学」,「西」は「西医学 (西洋医学) 」のことで,日本でいう東西両医学の結合の意味である。現代中国では,伝統医学の専門医 (中医師) と,現代医学を専門に行なう医師 (西医師) とは,それぞれ独立した大学で養成されているが,各種の研修機関を通じて両医学の治療を行なえる医師 (中西医) を養成し,中西医結合の治療を行なう病院も建てられており,多くの科学的研究の成果を収めている。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説:コトバンクより)

中国では医療免許に中医師と西医師の2種類があり、中医師が伝統医学に加えて現代医学を学ぶのと同様、西医師も現代医学だけでなく伝統医学(中医学)を勉強する、と教えられました。

この3月に私は、天津中医鍼法会主催の研修旅行で天津中医薬大学を訪問しました。
中医薬大学ですので、中国の伝統医学である中医学を中心とした大学ということでしょう。

鍼灸の外来で、パーキンソン病などの脳神経疾患の治療を見学しました。
こうした重い病気に関しては、西医師(現代医学)と連携して診療しているのだと思いますが、詳しいことは聞いていません。
現代の中国で中西医結合が実際にどのようになされているのかについては私にはわかりませんが、実際に大学病院に鍼灸科があり、そこで難病の治療をしているというのは、私たち鍼灸師にとっては大きな刺激となる事実です。

インターネットで検索すると「第4回国際中西医結合腎臓病学学術会議が天津で開催される」といった記事や「世界が注目する中西医結合がん医療最前線!」と題したテレビ番組で「中西医結合医療によるがん治療と予防」の国際会議レポートが放送されたことを見つけられます。

天津中医薬大学

天津市郊外の病院訪問

今回の研修旅行では、大学病院だけでなく近郊の小さな病院を訪問することもできました。

 

 

 

 

 

 

以前とは比べ物にならないくらい清潔になったとのことでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

院内に入るとすぐ正面に像が設置されています。
上手に撮影できていませんが張仲景という中国古代の名医の像です。

右の写真は中医学の診療を行うエリアの入り口です。すてきな装飾が施されています。

上部には「国医堂」と掲げられてあります。中国の古典に「上医医国、中医医民、下医医病」(上医は国をいやし、中医は人をいやし、下医は病をいやす。)という言葉があり、そこから引いているのでしょう。
わくわくしましたね。