帰来堂鍼灸療院の坂光です。

2月から院内に映画『未来を花束にして』のポスターを飾っています。
試写会に行く機会に恵まれ、ポスターを頂きました。

イギリスの婦人参政権運動には興味があり、多少の知識はありました。
この映画のことも製作の段階で知っていましたが、日本での公開は無理かなと思っていました。

日本公開前から映画の存在を知っていた方たちの間ではやはり邦題が話題でしたね。
“Suffragette”というストレートな原題が日本では『未来を花束にして』になりました。

ポスターも日本ではこれですが

イギリスではこれです。

かなり反抗的でパンクですよね。

映画は、女性に親権がなかったことなども丁寧に描かれていて、私が想像していたよりずっとよかったです。

私が一番印象的だったのは、主人公が運動にコミットするきっかけになった公聴会のシーン。
友人の代わりに主人公が急遽証言をさせられることになったのですが、「原稿を読むだけなら」と言っていたのにしっかり自分の言葉で語り、最後に公聴会に来た理由を問われて「違う人生があるのではないかと思って」と答えました。

主人公は教育も受けていなくて、洗濯女としての人生しか知りません。そんな彼女が権威ある男たちの前に一人で座らされているわけで、相当なプレッシャーです。そんな状況でこんな本質を一言で表すような言葉を発するなんて、気の弱い私には無理です。ひねり過ぎて相手に伝わらないようなことを言うのがせいぜいでしょう。

大人になってわかったのは、人生には可能性があるということ。子どもの時は自分の可能性がわかっていませんでした。子どもに第一に教えるべきことの1つは人生の可能性ではないでしょうか。

ケニアの農村での医療キャンプに参加すると、大勢の子どもたちに迎えられます。
彼らにとっては私たちのような外人が珍しくて仕方ないのです。
彼らに「人生の可能性を伝えたい」と思えるほど、私は素直でも楽観的でもないのですが、あの子たちが可能性を感じられるような社会であって欲しいと思います。

3月8日は国際女性デー。
映画『未来を花束にして』のFacebookページにも配信がありました。

いい写真ですよね。

ケニアでの活動は、現地のチャリティ団体RUNELDとの協力で実施しています。
RUNELDはケニアのHIVカウンセラーが立ち上げた団体で、農村の人たちに対してHIV/AIDSの啓発活動を行っています。彼らが重視しているのは「弱い立場の子どもと女性に対するempowerment」です。

社会的に弱い立場の人たちが声を出せるようになることが、結果としてHIV/AIDSの蔓延を防ぐことにつながるのです。それはエイズ孤児やHIV陽性者を受け入れる社会を目指すということで、それには女性をempowerすることが必須ということです。それは私もケニアで強く感じました。